2011年11月14日月曜日

ジョブズの伝記の卸値と電子書籍販売サイトについて

講談社がジョブズの伝記をApp Storeで発売した。アップルのアプリ課金のルールから考えてアップルが売り上げの30%を取り、残りの70%を講談社が売り上げとして得ていると思われる。

アップル30%+講談社70%

電子書籍販売サイトの場合はどうだろうか。たとえばApp Storeでその販売サイトのアプリを通してジョブズの伝記が売れたとするとその販売サイトは講談社と同じようにアップルに30%支払わなくてはならない筈だ。講談社の卸値が価格の70%だった場合儲けは0になる。ただ自社サイトなどから売れた場合は課金されないので、App Storeでの売り上げ分とそれ以外での売り上げ分の割合を仮に半々だとすると次のようになる。

アップル15%+販売サイト15%+講談社70%

上記の条件で講談社の卸値が価格の60%だった場合は次のようになる。

アップル15%+販売サイト25%+講談社60%

App Storeで商品を売りたければアップルに30%支払わなくてはならないという点と、ほとんどが自前の読書端末を持っていないという点が日本の販売サイトにとってのマイナス材料と考えられる。アマゾンが参入してきた場合、アップルに収益の一部を支払う構造でアマゾンのサービスに匹敵するサービスを顧客に提供できるとは考えにくい。また販売サイトが独自の読書端末を使っていないことがキンドルの普及を容易にすると思われる。日本の市場にキンドルと同程度の性能を持つ端末が同じ価格帯にないこともありアマゾンはかなりのシェアを獲得するだろう。電子書籍の安値販売をしないとしてもである。

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